前置詞の用法

前置詞は主に名詞や代名詞の前にきますが、文尾にくる場合などもあります。ここでは、それぞれの前置詞の中学レベルの基本的な意味は割愛し、高校英語において注意すべき使い方などを説明します。

前置詞の使い分け

◆ 同じ場所を表す前置詞でも、場合によっては、違った感覚を表現することになります。

A.I arrived at the city at eight.

B.I arrived in the city at eight.

※ Aでは、その city を(よく)知っていて、広がりのある場所として捉えている感じがありますが、Bでは、単に旅行中の一つの場所として捉えているとも言えるでしょう。


She has lived at several places in London.
「彼女はロンドンのいくつかの場所で暮らしたことがある。」

※ ロンドンは広い都市で、その中のいくつかの単なる場所に住んだことがあるという感じがあります。


◆ 時を表す前置詞にも注意が必要です。

A.My son got up at five in the morning.
「息子は朝の5時に起きた。」

B.My son was born on the morning of April 1st.
「息子は4月1日の朝に生まれた。」

※ Aでは、朝という時間帯の中を指していますが、Bでは、4月1日という日付が一番の焦点となっています。

◆ 手段を表す前置詞 by と with にも、使い分けがあります。

A.The man was killed by a large stone.

B.The man was killed with a large stone.

※ Aでは、その男の人は落ちてきた大きな石が当たって死んだと考えられますが、Bでは、誰かがわざと大きな石を投げぶつけて殺したというように考えられます。


A.The man was stabbed by a knife.

B.The man was stabbed with a knife.

※ この場合には、Aであってもナイフが勝手に刺さっていったとは考えられません。つまり by は、その行為自体が中心にあり、with の場合は、手段として使う道具が中心にあると考えます。

郡前置詞

◆ 群前置詞とは、2語以上の語が集まって1つの前置詞の役目をするものです。

in spite of ~ (~にもかかわらず) = despite

We were waited outside in spite of snow.
「雪にもかかわらず私たちは外で待たされたのです。」


on account of ~ (~のせいで) = because of

My father had to quite the job on account of illness.
「私の父は病気のせいでその仕事をやめなければならなかった。」


for the sake of ~ (~のために)

Jack is goint to buy a mansion for the sake of his family.
「ジャックは自分家族のために豪邸を買うつもりです。」


in (the) face of ~ (~をものともせず、~に直面して)

In the face of a barrage of criticism, the prefecture constructed the new airport.
「非難の集中砲火を浴びても、県は新空港を建設したのだった。」


in proportion to ~ (~に比例して、~に調和して)

The population of the city is increasing in proportion of its economic development.
「その都市の人口はその経済発展に比例して増えている。」


非常にたくさんの表現があるので、ここでは、それらのいくつかを取り上げています。

二重前置詞

◆ 前置詞の前にさらに前置詞が付き、その2つの前置詞が1つの前置詞の働きをするものです。

I used to play catch until after dark when I was a kid.
「子供の頃、暗くなった後までキャッチボールをしたものです。」

They gathered from over 150 countries.
「彼らは150以上の国々から集まってきたのです。」

The car came from behind suddenly and my car was forcefully brought to a stop.

これらは単に前置詞が2つ並んでいるだけで、組み合わせはほぼ自由であり特別な用法ということで考える必要はないでしょう。