時制の一致とは

一つの英文が主節と従節からなる、いわゆる複文において、その主節と従節の時制を整える(同じにする)ことを時制の一致と一般的には呼んでいます。

しかしながら、英語を母国語とする人たちにとっては、時制の一致といった事など頭の中にはなく、いちいちそれを考えながら話しているわけではありません。

ただ、英語の時の表現は、日本語とは往々にして異なる部分があるので、日本語で考えてしまうと複雑で分かり難くなる場合が多々あります。何にしても、まずはその基本や違いを学ぶ必要があると思います。

時制の一致の原則

主節の時制が現在の場合・・・従節は未来・現在(完了)・過去(完了)・進行形などあらゆる時制が使われます。

I think (that) she will be scared.
「彼女は怖がると思う」

I think (that) she is scared.
「彼女は怖がっていると思う。」

I think (that) she was scared.
「彼女は怖かったと思う。」

We know (that) he will come here tomorrow.
We know (that) he came here yesterday.
We know (that) he has come here before.
We know (that) he had come here the day before yesterday.


主節の時制が過去の場合・・・従節は過去・過去進行形・過去完了などになります。

I thought (that) she would be scared. (助動詞が過去形になります)
I thought (that) she was scared.
I thought (that) she had been scared.

We knew (that) he would come here.
We knew (that) he came here.
We knew (that) he had come here before.


実際には、主節が過去形であっても、従節が未来形や現在形になることもよくあります。

I knew (that) he is moving to New York.
「私は彼がニューヨークに引っ越す予定であることを知っていました。」

これを言っている時点では、まだ彼は引越しをしていないということ知っているというような事実が推測できます。

これを疑問文にするとなお分かり易いと思います。

Did you know he is moving to New York?
「彼がニューヨークに引っ越す予定であることを知っていましたか。」

次の文では、普通に時制の一致が起こっていますが、彼がすでに引っ越したかどうかは分かりません。

I knew (that) he was moving to New York.

一般的真理の場合

自然における絶対的事実などを表す事柄であれば、主節と従節では時制の修正は行われません。絶対的事実は過去も現在も、そしてこれからも変わらないと考えられるからです。

Do you know (that) the moon is a satellite of the earth?
「月は地球の衛星であることを知っていますか。」
 
Did you know (that) the moon is a satellite of the earth?
「月が地球の衛星であることを知っていましたか。」


Few people know (that) the sun loses weight around 4 million tons every second.
「太陽の重量が毎秒約4百万トンずつ減っていることを知っている人はほとんどいません。」
 
Few people knew (that) the sun loses weight around 4 million tons every second.
「太陽の重量が毎秒約4百万トンずつ減っていることを知っている人はほとんどいませんでした。」

※ 述べられた事実が真実であるかどうかは別の話です。

歴史的事実の場合

普遍のことである、過去に起こった歴史的事実を述べる場合、主節と従節では時制の修正は行われません。

したがって歴史的事実は全て過去形で表されると覚えておきましょう。

Do you know (that) a telephone was inevented by Alexander Graham Bell in 1876?
「電話は1867年にアレクサンダー・グラハム・ベルによって発明されたことを知っていますか。」
 
Did you know (that) a telephone was inevented by Alexander Graham Bell in 1876?
「電話は1867年にアレクサンダー・グラハム・ベルによって発明されたことを知っていましかた。」

現在の習慣的動作を表す場合

日常の習慣などを表す場合、主節と従節では時制の修正は行われません。

これは、ある時点で述べられた習慣は、その以前から行われており、また、未来においても行われると考えられるからです。

Some of us know (that) a woman cleans around the unmanned station every morning.
「私たちの何人かは、どこかのおばさんがその無人駅の周りを毎朝掃除しているのを知っています。」

Some of us knew (that) a woman cleans around the unmanned station every morning.
「私たちの何人かは、どこかのおばさんがその無人駅の周りを毎朝掃除しているのを知っていました。」

clean を現在形にしておくことで、仮に every morning がなくても、いつもやっていることだと思えることにもなるでしょう。

逆に cleaned と過去形にすれば、今は掃除はしていないと取られる可能性もあるでしょう。

仮定法の場合

仮定法で使われた表現を伝達する場合、仮定法は実際の時間とは関係ないので、主節と従節では時制の修正は行われません。

John says he would climb Mt.Fuji every day if he were Japanese.
「ジョンは、もし彼(自分)が日本人だったら、毎日富士山に登るだろうと言うのです。」

 

John said he would climb Mt.Fuji every day if he were Japanese.
「ジョンは、もし彼(自分)が日本人だったら、毎日富士山に登るだろうと言いました。」

これは仮定法過去におけるものなので、says が said と過去形になっても、それ以降の動詞部の時制は変化していません。


★ただし、条件節の中が直接法現在である場合には、時制の一致が行われます。

The doctor thinks if the virus is too vicious, people have to keep staying at home 24/7 for three months.
「その医者は、もしそのウィルスがあまりにも凶暴なら、国民は3か月の間、24時間ずっと家に居なければならないと思っている。」

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The doctor thought if the virus was too vicious, people had to keep staying at home 24 hours for three months.
「その医者は、もしそのウィルスがあまりにも凶暴なら、国民は3か月の間、24時間ずっと家に居なければならないと思った。」