文法上、英語の名詞には、可算名詞や不可算名詞など日本語にはない概念があるので、英語の学習時に困惑することがよくあります。
これはある意味、英語は日本語よりも論理的な面があると思うので、その特質をつかめばうまく理解できるようになると思います。
ここでは名詞を下記のような種類に分けていますが、辞書によっては、単語によって異なる種類の名詞に分けられていることもあり、学習していく中で、どの言葉がどの名詞に属するのかがはっきり分からなくても、あまり気にする必要はないと思います。
◆ 同じ種類や種別のものがあって、形や概念がある程度はっきりしているものと言えるでしょう。集合・物質・固有・抽象名詞に属さないものが一般的に普通名詞と考えます。
また、原則、普通名詞はすべて可算名詞となることをおぼえておきましょう。
つまり、普通名詞は可算名詞なので、不定冠詞(a, an)が付いたり、単独で使うときには複数形にして使うのが通常です。
◆ 例えば普通名詞には次のようなものがあります。
book, house, table, antenna(アンテナ), educater(教育家), missile(ミサイル), fortune(財産)
My uncle made a fortune by selling the land.
「私のおじさんはその土地を売って一財産を築いた。」
この場合の fortune は加算名詞ですが、場合によっては不可算となることもあります。
Fortune is blind. (ことわざ)
「幸運は誰に訪れるかわからない。」
There are more than one million books in this library.
「この図書館には100万冊以上の本があります。」
◆ 2(人)以上の人や物が集まって一つの種類などを表す名詞で、単数形になっていても複数として扱われることがあります。
◆ 例えば集合名詞には次のようなものがあります。
family, team, crowd, staff, people, audience(聴衆), commitee(委員会)
※次の英文は family を一つの単位としてとらえているので、単数扱いになります。
My family was once in Hokkaido.
「私の家族はかつて北海道にいました。」
※次の英文は、一つの family の中にいる人をそれぞれ個別にとらえているので、複数扱いになります。
All my family engage in farming.
「私の家族はみな農業に従事しています。」
※次の英文は、単位を家族・家庭とし、それが複数あることを表しているので、 family が複数形の families になります。
I know a few families in this neighborhood.
「この近所のいくつかの家庭を知っています。」
◆ 人工や自然にできたものに限らず、固体、液体、気体等の状態で存在するものに使われる名詞です。
物質名詞は不可算名詞なので、通常、複数形になることはありません。
「一種の~」の意味を表すような場合は、冠詞の a(an) が付くことがあります。
◆ 例えば物質名詞には次のようなものがあります。
gold, water, bread, salt, steel, oxygen(酸素), furniture(家具)
I hear North Koreans also like beer.
「北朝鮮の人たちもビールが好きらしい。」
※一般的にビールという飲み物を表しているので無冠詞になっています。
May I have a beer, please?
「ビールを一杯いただけますか。」
※グラスに入った一杯のビールというような意味で、不定冠詞の a が付いています。
人名、国名、地名、河川、山、天体、組織などをさす名詞で、先頭のアルファベットは大文字になります。
◆ 例えば固有名詞には次のようなものがあります。
Dr. Smith(スミス医師), Jupiter(火星), India(インド), the Pacific Ocean(太平洋)
Mt. Sakurajima(桜島), the United Nations(国際連合)
Didn't you recieve a phone call from a Mr.Brown yesterday?
「昨日ブラウンさんという人から電話がありませんでしたか。」
※人名に不定冠詞が付く時は、「~という人」という意味を表します。
Mars is a planet in the solar system.
「火星は太陽系の中の惑星である。」
the solar system 太陽系は大文字で書いて Solar System とすることもあります。
◆ 物質の性質や状態、動作などを抽象的に表現した名詞です。
簡単に言えば、手にとったり、目で見たり、数えたりすることのできないものです。
抽象名詞も不可算名詞なので、一般的には、無冠詞で単数形として使われます。
◆ 例えば抽象名詞には次のようなものがあります。
love(愛), life(人生), joy(喜び),strength(強さ),hate(憎しみ),wealth(富)
Love is blind.
「愛(恋)は盲目。」
Much experience in sales is a big help to my present job.
「豊富な営業経験が大いに今の仕事に役立っています。」
※ much experience で「たくさんの経験」となりますが、この場合、experience は抽象名詞なので単数扱いです。
sale は複数形になることで「販売活動」といった意味を持ちます。
help もここでは「助け」といったような意味で抽象名詞ですが、big という形容詞が付くことで、具体的な例を表すことになり、定冠詞が必要になります。