不定冠詞とは、冠詞の a または an のことで、数えられる単語(名詞)の前に付けるのが基本ですね。これらは頻繁に出てくるので、ここでは特にその中心的役割を説明していきます。
どいういう場合に付いて、どういう場合に付かないのかというような、日本語にはない文法でややこしい面のある単語ですが、新しく出会う名詞と共に、セットにして頭にインプットしていくというやり方がネイティブの基本的な覚え方になります。
しかしそれでは時間もかかり効率的ではないので、文法として冠詞を学ぶことは第2言語の学習法には大事になってくるでしょう。
日本語では理解しにくい場合がよくありますが、英語では非常に重要な役割を持っているので、できるだけ正しく身に付けていきましょう。
◆不定冠詞は、通常、可算名詞の前に付いて、「一つの」という意味を表します。
これを特に強調するような場合は one にすることもあります。
The boy was trapped under the debris for a/one week.
「その少年は1週間がれきの下に閉じ込められていた。」
debris がれき
◆ an は母音字ではなく、母音の前に使われることに注意しましょう。
We watched an SF movie at the theater yesterday.
「私たちは昨日その映画館でSF映画をみました。」
S の発音は「エス」で、「エ」が母音なので an を使うということです。
◆ furniture や money, news などの数えられない名詞には使えません。
I have good news for all of us.
「僕たちみんなにとって良い知らせがあります。」
news は s が付いていますが、もちろんこれは複数ではありません。
複数形になる時は a lot of などを付けて表します。
There is a lot of good news to tell you today.
「今日は君に教えたい良い知らせがたくさんあります。」
「~につき、~あたり」という意味で per と同じように使うことができます。
This lake freezes only once a year.
「この湖は1年に1度だけ凍ります。」
How much does it cost a kilogram?
「それは1キロあたりいくらするのですか。」
The entrance fee of this park is 5,000 yen per person.
この公園の入場料は一人当たり5,000円です。
普通名詞単数に不定冠詞を付けることで、その名詞の総称を表すことがあります。
Does a penguin usually live in a cold climate?
「普通、ペンギンは寒いところに住んでいるのですか。」
※この場合は「ペンギンとは」というような形で総称を表しています。
My niece kept a penguin until a few years ago.
「私の姪は数年前までペンギンを飼っていました。」
※この場合は「1羽のペンギン」という意味を表しています。
不定冠詞は、通常、可算名詞ではない物質名詞や抽象名詞には付きませんが、不定冠詞がこれらの名詞に付くときは、「一種の~」という意味を表します。
This is a cheese that sells at my shop well.
「これは当店でよく売れているチーズです。」
※ a cheese = a kind of cheese ということで、ある種類や製品などを表しています。
The education industry is a profitable business in the country too.
「教育産業はその国でも利益の上がる事業となっています。」
不定冠詞が固有名詞に付くこともあります。
◆次の場合は a が like「~のような」の意味で使われています。
The former president of the company was a Hitler.
「その会社の前の社長はヒトラーのような人だった。」
◆「~という人」という意味で使われることもあります。
Do you know a Miss Carter, darling?
「カーターさんとかいうお嬢さんをご存知なの、あなた。」
No, no, I don't. Why?
「い、いや、しらないね。どうして。」