名詞を所有格の形にするには、名詞の後ろに 's を付けたり of を付ける方法があります。
ここでは、状況に応じてどちらをどのように使えば良いのかを学習します。
単数や複数を表す場合などで、付け方に違いがあることがあります。
◆ 単数の場合
Mary's cousin(メアリーのいとこ) a cat's tail(猫の尻尾)
通常は人や動物以外では of を使いますが、例外もよくあります。
an hour's walk(歩いて1時間[の距離]) the sun's rays(太陽光線)
単数の場合でも、語尾が s の音で終わるものには(')だけを付けることがあります。
Michael, don't go there alone, for goodness' sake.
「マイケル、お願いだから1人でそこに行かないでね。」
for goodness' sake お願いだから
◆ 複数の場合
my childrend's room(子供たちの部屋)
語尾が s の複数名詞の場合は、(')だけを付けます。
a boys' shcool(男子校) ladies' watch(婦人用の時計)
My office is five miles' distance from here.
「私のオフィスはここから5マイルの距離にあります。」
※ five miles distance となって、(')がつかない場合もあります。
◆ 所有格に続く名詞が省略される場合
Is that sweater your brother's (sweater)?
「あのセーターはあなたのお兄さんのですか。」
※同じ名詞の重複を避けます。
I've been to a barber's (shop).
「床屋さんに行っていました。」
※名詞の所有格の後にくる、 house, hotel, shop, department store など、場所や建物を表す名詞はよく省略されます。
◆ 無生物(人や物以外)の場合は of を使うのが普通です。
△ The house's front was painted blue.
○ The front of the house was painted blue.
「その家の正面は青色に塗られていました。」
上の英文でも十分に通じるのですが、下の例文ののように言う方が普通であり、ネイティブにも受け入れられやすいということです。
◆ 's と of の違いによって、意味が変わるものもあります。
today's newspaper(きょうの新聞) newspaper of today(こんにちの新聞)
◆ 二重所有格とも呼ばれるもので、所有を表す名詞に a(an), this, that, some, any, などが付くときに、この形になることがあります。
Margaret was wearing a diamond ring of her mother's then.
「マーガレットはその時、母親のダイヤのリングをしていました。」
◆ 次の2つの英文に注意してください。
A painting of his sister's was exhibited at the art museum.
「彼のお姉さんの描いた絵がその美術館で展示されていた。」
A painting of his sister was exhibited at the art museum.
「彼のお姉さんを描いた絵がその美術館で展示されていた。」
※ his sister's painting では「彼のお姉さんの絵」となり、文脈によっては、上の2つのどちらにでも解釈することができます。