冠詞の省略できる場合

可算名詞である普通名詞単数等でも、状況によっては冠詞が省略される場合があります。

ここでは冠詞が省略される特徴的な場合をいくつか紹介しています。

2つ以上の語句の関係によるもの

名詞が and や or で接続される時には、それぞれ冠詞が必要な場合と必要でない場合があります。

1.Mr. Millar has a white and a blown horse.
「ミラーさんは白色の馬と茶色の馬を持っています。」

2.Mr. Millar has a white and blown horse.
「ミラーさんは白色と茶色の混ざった馬を持っています。」

1.では色の違う馬をそれぞ1頭ずつ持っていることを表していますが、2では、色の混ざった馬を1頭しか持っていないことを表しています。
つまり2のような場合には、最初の語句にだけ冠詞を付けます。

親族や呼びかけに使われるもの

家族の構成員や親族など、また呼びかけに使われる人などを表す単語は、冠詞が付かないことがあります。

I'm going out with Mother this evening.
「私は今日の夕方、母と出かけるつもりです。

Uncle Joe is so generous and he often gives us some money.
「ジョーおじさんはとても気前が良くて、よく私たちにお小遣いをくれます。」

Come here, little boy.
「坊や、こっちへおいで。」

運動や学科、食事などを表すもの

運動や学科、食事を表す tennis, history, breakfast などは特定の場合でなければ、冠詞が付かないことが普通です。

We're going to play volleyball in the town gymnasium tomorrow.
「私たちは、明日、町の体育館でバレーボールをする予定です。」

You have to study math before dinner.
「夕食の前に数学の勉強をしなければいけませんよ。」

補語となる官職や身分などを表すもの

特別な職や地位を表す名詞で文章中の補語となる場合には冠詞を付けないこともあります。

Who is (the) captain of the unbeatable team?
「その無敵のチームのキャプテンは誰なのですか。」

She was elected mayor of this city last year.
「彼女は昨年この街の市長に選ばれました。」

※その他、よく出るものに principal, president, derector, governor などがあります。

建物や場所を表すもの

本来の目的を形で使われる建物や場所を表す名詞には慣用的にも冠詞が付きません。

We don't go to school on Saturday.
「私たちは土曜日には学校に行きません。」

I live near the school.
「私は学校の近くに住んでいます。」

この場合は、「特定の学校という所の近くに住んでいる」ということですから、the が必要です。


I didn't go to market yesterday.
「昨日は市場には行きませんでした。」

Do all Christians attend church every Sunday?
「キリスト教信者はみんな毎週日曜日に教会に行くのですか。」