代名詞の基本的な使い方

代名詞とは、その名前の通り、名詞の代わりに使われる言葉のことで、例えば、人なら I や you, he, she, we, they などで、物なら、it や they などの単語を指します。

日本語に比べると、英語では頻繁に代名詞が名詞の言い換えとして使用されます。

Mack is a college student. His father has wanted him to be a doctor.
「マックは大学生です。彼の父親は彼に医者になってもらいたかったのです。」

それぞれ his と him が Mack のことを言っています。

中学で習う代名詞の変化形など、さらに基本的な説明が必要な方はこちらのページを参考にして下さい。

人称代名詞

◆人称代名詞とは、その言葉の通り人を表すために使われる代名詞のことです。

主格、所有格、目的格、所有代名詞(独立所有格)の使い分けができるように練習しましょう。

この内、所有代名詞とは、mine や his, hers, theirs, yours などの「~のもの」となる変化形のことです。

Who scratched my precious car?
「私の大切な車に傷をつけたの誰だ。」

I did.「私です。」

この例文では、疑問代名詞 (who) がそのまま主語になっているので、中心となる答えを主語の形(主格)にして答えます。

これが、この疑問文に対する最も文法に沿った答え方になるでしょう。

会話的には It is me. なども可能ですが、テストで点数がもらえるかどうかは保障できません。

また、It is I. という、少し堅い言い方もできます。

これは It is I who scratched it. という強調構文の一部になります。


◆ペットなどは家族の一員として、人称代名詞が使用されることがよくあります。

I have a cute puppy. She is still only three months old.
「私はかわいい子犬を飼っています。(彼女は)まだ生まれて3ヶ月なんですよ。」

※ she ということから、子犬はメスということが分かりますね。


◆違う人称代名詞を並べて使う場合にも習慣化した決まりがあり、2人称、3人称、1人称の順番になるのが一般的です。

Nancy is older than you, but you and she are a good much.
「ナンシーは君より年上だけど、君と彼女はお似合いだよ。」

He and I could live happily ever after.
「彼と私はその後幸せに暮らすことができました。」

You and I used to explore the cave in our childhood.
「君とぼくは子供の頃よくその洞窟を探検したね。」


※口語的な表現では、主語であっても I を me などに変えたりして、me and you や me and him などと言ったりすることが一般化しています。

Me and my husband used to be teachers in a grade school.
「私と夫はかつては小学校の先生でした。」


◆ we, you, they などは「一般的な人」を表すことがあり、その意味を訳さないことがあります。

We had a lot of snow last winter.
「昨年の冬は雪がたくさん降った。」

You never forget your own trade. (ことわざ)
「昔とった杵柄。」(自分の仕事は絶対に忘れないものだ。過去に鍛えた腕前、という意味。)

They say that a snake resembling “Tsuchinoko” was discoverd in China.
「中国で“つちのこ”に似た蛇が発見されたらしい。」

they say は「~らしい、~だといううわさだ」などの訳でよく使われる言い方です。

itの特別用法

◆天候や距離、日時、状況などを表す場合、主に it が仮の主語として使われます。したがって「それ」と訳さないようにしましょう。英語では一つの文にするためには、いつも主語が必要だからです。

It looks like rain, doesn't it?(天候)
「雨になりそうですね。」

It's raining. で「雨が降っている」となりますが、The rain is falling.

It is about 100 kilometers from here.(距離)
「ここから約100キロです。」

It was still cold and dim outside.(明暗・寒暖)
「外はまだ寒くて薄暗かった。」

It is more than half a century since the first Olympic games held in Japan.(日時)
「日本で最初のオリンピックが開かれてから半世紀以上になる。」

Whose turn is it next?(状況)
「次は誰の番ですか。」

It's your turn.(状況)
「あなたの番ですよ。」

これらの it は「それ」という意味を持たないので、特別用法と呼ばれていますが、言い換えの it であっても日本語らしくするために訳さないこともよくあります。