英語を日本語に訳す場合、慣れない内は、どうしても逐語的に訳してしまうことがあります。
しかし、英語と日本語は全く違う言語なのですから、英作文にしろ日本語訳にしろ、その言語にあった形にすることが大切です。
つまり高校英語では直訳をし過ぎると、減点対象となることがあるので、日本語らしい日本語にするテクニックが必要となってきます。
英語では名詞が多用されたり、動詞が名詞化された形で使われることがよくあるので、文章全体の主語や述部、目的語の他に、次の各部分にもそれらの関係があるように考えます。以下を名詞構文と呼ぶことがあります。
His existence makes me feel confident.
全体的に直訳をすると「彼の存在が私を心強く感じさせます。」となります。
「代名詞の所有格+名詞」の部分を「~が~すること」という S+V の形で、His existence の部分を「彼がいること」とします。
「彼がいることで心強く感じます。」
さらに、「彼がいてくれて心強く思います。」としてもよいでしょう。
The research team could discover another dinosaur fossil by the cave's probe.
「調査チームはその洞窟の探索で別の恐竜の化石を発掘することができた。」
この場合には、「名詞の所有格+名詞」の部分を、「~を~すること」という V+O の形で訳すことができます。
「調査チームはその洞窟を探索することで別の恐竜の化石を発掘することができた。」
I got confused about the appearance of my own mother.
「私は実の母の出現に狼狽した。」
この直訳では、あまり日本語らしくないので、「名詞+前置詞+名詞」の部分を「~が~すること」という S+V の形で訳したほうがよいでしょう。
「私は実の母が現れたことにに狼狽した。」
The scientist was abducted soon after the invention of an interactive robot.
「その科学者はその知能ロボットの発明のあとすぐに誘拐された。」
この場合、「名詞+前置詞+名詞」の部分を、「~を~すること」という V+O の形で訳すことができます。
「その科学者はその知能ロボットを発明したあとすぐに誘拐された。」
これは上記の二つの形を合わせたものと言えるので、SVOの形で「~が~を~すること」と訳すことができます。
Our escape from the jungle was not so difficult.
これを直訳すると「私たちのそのジャングルからの脱出はそれほど難しくはなかった。」となり、あまり日本語らしいとは言えません。
そこで次のように訳したほうがよいでしょう。
「私たちがそのジャングルから脱出することはそれほど難しくはなかった。」