指示代名詞とは、その名の通り、物や事柄を指し示す代名詞のことです。
また、場所や方角などを指し示す場合にも使われます。
this, that, these, those などが代表的なものですが、単なる「これ、あれ」などの基本的なものはここでは扱いません。
その他には same や so, suchなども指示代名詞の役割をすることがあります。
◆ this はその前後にくる文などを指すことがあります。
My mother said to me like this. "Your effort will be rewarded."
「母は私にこんな風に言いました。“努力は報われるのよ。”ってね。」
◆ that は前に出てきた(the+名詞)の繰り返しを避けるために、その代名詞として使われることがあります。
The gravity of the earth is stronger than that of the moon.
「地球の引力は月の引力よりも強い。」
この that は、the gravity の言い換えになっています。
◆ those は基本的に that の複数形ですが、those who ~ の形で「~する(である)人々」という意味を表します。
I think those who like liqure like sweets.
「酒が好きな人は甘いものが好きだと思います。」
◆ this(~)and that という形で「あれやこれや」などの意味を表します。
I couldn't sleep soundly last night thinking about this and that.
「昨夜はあれやこれやと考えてぐっすり眠れなかった。」
Jessica has won this award and that over the past three months.
「この3ヶ月でジェシカはあれやこれやの賞を手にした。」
◆ same は the を前に付けて「(それと)同じこと(もの)」という意味で指示代名詞としても使われます。
A: This foreign-made tablet computer freezes from time to time.
「このタブレットは時々フリーズするんだよ。」
B: Year, the same goes for this smartphone. I think a domestic product is the most dependable
after all.
「ああ、このスマホも同じだよ。やっぱり国産品が一番安心できるよね。」
the same goes for は「~にも当てはまる」という意味の慣用的な表現です。
◆ so は前の語句を受けて「そのように」の意味で指示代名詞の役目をすることがあります。
A: I think this virus pandemic will soon be concluded.
「このウィルスのパンデミックはすぐに収束すると思います。」
B: I do hope so.
「そう願うよ。」
◆ such は「そのような人(こと)」というような意味で指示代名詞の1つとして使われることがあります。
A: I was betrayed by my buddy
「親友に裏切られたよ。」
B: Such is also life.
「それもまた人生さ。」
Such is life. や Life is such. はどちらも同じ意味でよく使われる表現です。
Who is this/that, please?
「どなたでしょうか。」
This is Jack speaking.
「ジャックです。」
※これは電話での会話でよく使われる表現ですが this(that) は訳しません。
また、Who's calling, please? の方が丁寧な言い方です。
"I don't want to say anything right now." With this he made the reporters go away.
「“今は何も話したくありません。” こう言うと彼は取材人たちを追い返した。」
The firm has heavy debts, that is, it is in danger of bankruptcy.
「その会社は多額の負債を抱えている。つまり、破産の危機にあるということだ。」
This steak is very delicious and reasonable at that.
「このワインはとてもおいしくて、おまけに値段も手ごろだ。」