関係代名詞の種類とその基本

関係代名詞とは、代名詞と接続詞の役目を同時に行うことのできる言葉のことです。

関係代名詞は会話でも多用され、もっとも英語らしい表現の一つなので、しっかりと理解できるようにしていってください。

関係代名詞が表すものは、その直前(少し離れたところにある場合もあります)にある先行詞と呼ばれる単語や語句のことで、その先行詞によって使われる関係代名詞が以下のように分かれています。

who

who は、先行詞がを表す単語の場合で、関係代名詞節の中で「~は、が」のように主語の働きをする場合に使います。

He is the doctor who cured my breast cancer.
「彼は私の乳癌を治療してくれた医者なのです。」

who が表すのは、先行詞である doctor のことで、「その医者は~」というように、関係代名詞節中の主語になっていることを理解してください。

The clergyman who prayed for us had been a gangster before.
「私たちのために祈ってくれたその牧師は、以前は暴力団員でした。」

whose

先行詞が人や人以外のどちらを表す単語でも使え、関係代名詞節中で、「~の」という所有を表す意味で使います。

My father works for a company whose headquaters is in New York.
「私の父は本社がニューヨークにある会社に勤めています。」

whose が表すのは、先行詞である company のことで、「その会社の~」というように、関係代名詞節中で所有の意味を表していることを理解してください。

Have you ever seen a dog whose tail is pink?
「尻尾がピンク色の犬を見たことがありますか。」

whom

先行詞がを表す単語の場合で、関係代名詞節中で、「~に、を」などのように目的語の役目をします。

The man is an astronomer whom I like very much.
「その人は私が大好きな天文学者の1人です。」

whom が表すのは、先行詞である astronomer のことで、「その天文学者を」というように、関係代名詞節中で like の目的語となっていることを理解してください。

※会話では度々 whom の代わりに who が使われることもあり、省略されることの方が多いように感じます。

which

先行詞が人以外を表す単語の場合で、関係代名詞節中で主語や目的語の役目をします。

Mr. Ito could find a job which was suitable for him.
「伊藤さんは自分にあった仕事を見つけることができた。

which が表すのは、先行詞である job のことで、「その仕事は~」というように、関係代名詞節中の主語になっていることを理解してください。

The Republic of South Africa was a colony which England started to govern at the turn of the 18th century.
「南アフリカ共和国は18世紀末にイギリスが統治を始めた植民地でした。」

which が表すのは、先行詞である colony のことで、「その植民地を~」というように、関係代名詞節中の govern(統治する) の目的語となっていることを理解してください。

所有格を表す場合、of which でも whose の役目をすることができます。

He caught a curious fish the back fin of which is very big.
「彼は背びれがとても大きい変わった魚を釣った。」
 ↓
He caught a curious fish whose back fin is very big.

back fin 背びれ

that

先行詞が人と人以外のどちらでも使え、関係代名詞節中で、主語や目的語の役目をしますが、所有の形では使えません。つまり that には、所有格は無いということです。

My uncle lives in a countryside that/which has a extensive ranch.
「私のおじさんは広大な牧場がある田舎に住んでいます。

※この場合の that は which に置き換えることができます。


先行詞が同時に人と人以外から成っている場合は that を使います。

The little girl and the kitten that were featured on TV have been popular in Europe too.
「テレビで紹介されたその小さな女の子と子猫はヨーロッパでも人気になっています。」

疑問代名詞が先行詞になっている場合は that を使います。

Who that lives in the US has never had a hambuger?
「アメリカに住んでいてハンバーガーを食べたことのない人などいるでしょうか。」

Who who lives のように who が続くと分かりにくいですし、言葉の響きもおかしな感じになってしまいますよね。

※この例文では「食べたことのない人などいないでしょう。」というように、反語的に使っています。


★先行詞に all, every, first, last, no, only, very などの語が付いたり、また、先行詞が最上級の表現となるような場合には、that を使うのが基本となります。

This is one of the most bothersome problems that I have ever faced.
「これは僕がこれまでに直面した最も厄介な問題の1つなんだよ。」


以上、基本的な関係代名詞の使い方の説明をしましたが、実際の会話などでは、文法通りに関係代名詞が使われるとは限りません。

ただし、入試などの試験において、できるだけ厳格に文法に従うことをお勧めしますし、会話においてもきちんとした言葉の使い方は日本語と同様、相手に良い印象を与えることになります。

関係代名詞と先行詞が離れている場合

関係代名詞の基本として、この形は少し難しく感じられるかもしれません。

Makoto is the only student in my class that passed the university entrance exam.
「マコトは私のクラスでその大学の入試に合格したただ一人の生徒なのです。」

関係代名詞の直前にある class が先行詞になるとすると that 以下の内容が不自然になりますね。


That is the person over there who created a revolutionary application.
「向こうにいるあの人が画期的なアプリを開発した人です。」

この例文の先行詞は over there や the person ではなく、先頭の That になります。

しかし現在では、先行詞はどれですかなどと問うような問題は入試には出てこないでしょから、ここではthe person が先行詞と考えても困ることはないでしょうね。

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