関係代名詞の制限用法と非制限用法の違い

関係代名詞の制限用法は、先行詞の状態や性質などを具体的に分かりやすく説明することですが、関係代名詞の非制限用法先行詞を単に補足的に説明するだけのものです。

非制限用法では関係代名詞の部分を and, but, for などの接続詞の意味で訳してみましょう。

つまり、これはあまり重要ではないので、ついでに説明をしておこうとするくらいのものであるとも考えられるわけです。

★that は先行詞を制限する関係代名詞なので、非制限用法では基本的に that を使いません。

単語自体を先行詞とする場合

◆ 制限用法や非制限用法でも、基本的には単語単位で関係代名詞の先行詞になります。

1.Jane is a little girl who likes dolls.(制限用法)
「ジェインは人形が好きな小さな女の子です。」

2.非制限用法では関係代名詞の前にコンマを付けます。

Jane is a little girl, who likes dolls.(非制限用法)
「ジェインは小さな女の子で、人形が好きです。」

この例文においては、1の制限用法では、特にジェインが人形が好きな女の子だと言っているのに対し、2の非制限用法では、ジェインは小さな女の子だということを中心に、単に人形が好きだという事を補足的に言っているに過ぎません。

この場合、会話では関係詞の後の間の開け方によっては、どちらになるかは分からないことがあり、実質上の差はほぼないと言っても過言ではありません。

また、言語的にもネイティブだったら両方とも当然に前から順番に理解していくので、内容によっては、この例のようにあまり大差はない感じになります。


1.The hardship which he went through gave him courage to be able to do anything.(制限用法)
「彼が経験したその苦難が彼に何でもできるという勇気を与えた。」

2.The hardship, which he went through, gave him courage to be able to do anything.(非制限用法)
「その苦難を彼は経験したが、それが彼に何でもできるという勇気を与えた。」

1では、他に経験した苦難と比べて、その経験こそが勇気を与えたという意味合いがあり、2では、他の経験と比べる意味合いが含まれていない感じを与えます。

句や節を先行詞とする場合

◆ 非制限用法の関係代名詞では、先行詞は単語単位だけではなく、句や節も先行詞となることがあります。

Tom tried to swim in the rushing river, which he found difficult.
「トムはその流れの急な川で泳ごうとしたが、それは難しいとわかった。」

to swim in the russhing river という句を先行詞として which が受けています。

= Tom is tried to swim in the russhing river, but he found it difficult.

The old man is always dressed in shabby clothes, which makes you think that he is poor.
「その老人はいつもみすぼらしい身なりをしているので、君は彼が貧しいのだと思うのです。

The old man is always dressed in shabby clothes という節を先行詞として which が受けています。

関係代名詞の二重制限

◆ 2つの関係詞節が同じ先行詞を受けることがあります。

Mary is the only woman that I have ever met who understands me well.
「メアリーは私が出会った中で私のことをよく理解してくれる、ただ一人の女性なのです。」

※ woman が that と who の2つの関係代名詞の共通した先行詞となっています。また、that のほうは省略することがありますが、who は省略できません。