「心配する」という意味の worry において、この2通りの言い方は非常によく出てくるので、どちらが正しいのか、それとも何かの違いがあるのかと、迷う人が多いようです。
実はどちらも文法的に正しい言い方なのですが、そこには多少の違いがあるということになります。
つまり、そこに含まれる内容の違いが問題となるのです。
◆ まず worry の一つの意味として現在形で使った場合、常に心配しているということになります。
I worry about a big earthquake.
巨大地震が心配です。
この例では、いつ大きな地震が起こるか分からないので、常にその事が心配であるというニュアンスがあります。
つまり I worry about a big earthquake (all the time/most of tie time).のように言うことができます。
通常、動詞の現在形で表したものは習慣的なものと言えます。
例えば My son sleeps in this bed. であれば「私の息子はこのベッドで寝ます。」と訳せますが、「このベッドで寝ています。」とも訳せます。
つまり、このベッドで寝るのは今だけではなく、いつも寝る時はそこに寝るということを言っているわけです。
この事からも worry が現在形で使われれば、いつも心配しているのだということを感じ取って下さい。
過去形の場合は、その過去の時点まで常に心配だったという感じになります、
He worried about his daughter until she passed the audition.
「彼は娘がオーディションに合格するまで彼女のことが心配だった。」
◆ 一方 be worried では、今の時点でのみ心配しているということになります。
I am worried about a big earthquake.
日本語訳では同じになることもありますが、この場合は now を補うと分かり易いでしょう。
例えば、住んでいる家が相当やばくて、今地震が来たらおそらく倒れてしまいそうな時などに、この言い方が可能になると思います。
これは進行形にしても同じような意味になります。
I'm worring about the condominum which will be built near my house.
家の近くに建てられるマンションのことが気がかりです。
現在進行形は今の時点のみでのことを表現するのですから、今の時点で心配していることを理解して下さい。
過去進行形だと、過去の一時点だけにおいて心配をしていたということになります。
We were worrying about the strong storm coming close to our city.
「我々は自分たちの都市に近づいていた激しい嵐を心配していた。」
◆worry には「心配する」という受け身の意味だけではなく、「心配させる、イライラさせる」という能動の意味もあります。
Don't worry your mother!
「お母さんを心配させてはいけないよ。」
これに about を付けると・・・
Don't worry about your mother!
「お母さんのことは心配するな。」
以上のように、全然意味が違ってくるので気を付けましょう。
His tone of voice worries me a lot.
「彼の話し方は私をすごくイライラさせる。」