国や国家という場合に country や nation, state を使用することがありますが、これらにもそれぞれ違った意味合いがあります。
「国」という意味で最もよく使われる単語は country だと思いますが、これは地理的な見地で使うことが多い単語で、最も一般的な「国」を表現する単語と言えると思います。
また country は nation や state にはない「地方」や「田舎」を表現する場合にも使われます。
◆ nation は country と多くの場合入れ替えができることがありますが、こちらは時に言葉や文化、歴史、血統などを共通のものとして成り立っている国、国家という感覚がより深く感じられる言葉だと思います。
さらに「国民」という意味でも使われることがあるので、特にこれを意識した場合に用いられることも多いでしょう。
◆ state は「国」の他に「州」という意味でも使われますが、「国、国家」の場合は、こちらも country や nation と入れ替えができることが多いでしょう。
ただ state は、政治学的な側面で用いられることがあり、この意味が特に強調される場合には、主権、統治権といった背景がそこに感じられます。
◆ 特に深い意味が背景にない場合には country が一般的です。
What country would you like to live in in your future?
将来はどこの国に住んでみたいですか。
この例文では、単に場所としての国を指しているので nation や state を使うことはあまりないと思います。
We enjoyed our summer vacation in the country in France.
私たちはフランスの田舎で夏休みを楽しいんだ。
この例文では、田舎または地方という意味で使われているので、nation や state に置き換えることはできません。
Many young people in the country don't seem to know the historical origin
of their nation.
その国の若者の多くは自分たちの国家の歴史的な成り立ちを知らないようだ。
The United Kindom currently consists of four different countries/nations.
イギリスは現在4つの異なる国家から成り立っています。
イギリスの場合、four states とすれば、4つの州とも取られかねず、州による連邦制でもないので the UK 自体が state であっても
four states とは言わない方が良いでしょう。
Do you think the roles of the United Nations function well?
国際連合の役割は十分に機能していると思いますか。
the United Nations は「国際連合」という固有名詞ですから、変えようがありませんね。
North Korea is a frightening autocratic state.
北朝鮮は怖ろしいほどの独裁国家である。
Beijin won't approve Taiwan as an independent state.
中国政府は台湾を独立国家として認めようとはしません。
台湾は中国の一部として、中国はその主権を認めていませんので、この例では country よりも state がピッタリでしょう。
日常的な場面では、どの単語を「国、国家」の意味で使ったとしても、十分に通じることは間違いないと思います。
ただし、公式な場では、これらを使い分けることにより、問題が生じることもあるでしょう。
うまく使い分けることができれば cool でしょうね。