この2つの単語は「盗む」という意味で、その使い方に注意が必要です。
rob は物(お金など)を人や場所などから盗むことで、時には力ずくでも奪っていくという感じで使われます。
steal は単に自分の物(お金やなど)ではない物ものを人や場所から盗むことで、気付かれずに盗むという感じでよく使われます。
受動態にして使ったり、これらの後に続く前置詞などの引っ掛け問題がよく出ますので、注意しておきましょう。
◆まずは、一番間違いやすい例を見てみましょう。
「昨日、盗難にあったんだよ。」は次のように英訳ができますが、文法的な問題があります。
A. I was stolen yesterday.
※stolen は steal の過去分詞
B. I was robbed yesterday.
さて、この2つのどちらが間違っているでしょうか。
B は問題はありませんが、A はこのままでは、大きな勘違いにもなり、文法的にもまずいことになっています。
つまり A は、日本語にすると「私(自身)が盗難された。」となり、日本語的にも英語的にもおかしな意味になっているということです。
◆ steal は、人を主語として使う時は、次のように盗られた物を同時に示す必要があります。
I had my favorite fan stolen yesterday.
「昨日、気に入っていた扇風機を盗まれたよ。」
※ be動詞の was ではなく、使役動詞の have を過去形の had にします。
盗まれた物を主語として使えば、同じ意味で次のように言えます。
My favorite fan was stolen yesterday.
◆ rob は、steal の逆で、人を主語として使えますが、物を主語としては使えません。
I heard that Mr. Kim had been robbed of his gold watch by a bandit.
「キムさんは強盗に金時計を盗まれたそうだ。」
※盗まれた物の前に来る前置詞は of です。これを忘れないようにしておいてください。
能動態では次のように使うこともできます。
A stranger tried to rob him of his BMW.
「見知らぬものが彼のBMWを奪おうとした。」
BMW はドイツの車のことですね。
銀行などの場所も主語として使われます。
The bank near my house was robbed this morning.
「今朝、私の家の近くにある銀行が強盗にあいました。」
次のようには言えません。
×His gold watch was robbed by a bandit.※