ここでは、形容詞や副詞の比較級を使った慣用表現を、その使い方と共に、いくつか代表的なものを解説しています。
「だんだん、ますます」のような意味で、この語形の後には形容詞や副詞、また名詞などがくることもあります。
Nowadays more and more women are going into politics.
「昨今、政界に進出する女性がますます増えている。」
go into politics 政界に進出する
You will become less and less concerned about your past mistakes as time ticks away.
「過去の失敗なんて、時間が経つにつれて、だんだん気にならなくなりますよ。」
as time ticks away 時間が経つにつれ
「~すればするほど、ますます~」のような意味を表します。
The farther we went, the narrower the road became.
「先に進めば進むほど道はどんどん狭くなった。」
例えば The farther we went は We went much farther の倒置形になっています。
farther は far の比較級です。
The less he talked, the more he looked suspicious
「彼が黙れば黙るほど、彼がさらに怪しく見えてきた。」
「まして、いわんや」などの意味で、肯定文で使います。
Mr.Brown can do any difficult tricks, much more orthodox card tricks.
「ブラウンさんはどんな難しい手品でもできますし、ましてやオーソドックスなトランプ手品はなおさらです。」
※ orthodox card tricks の前に Mr.Brown can do が省略されていると考えみましょう。
(Mr.Brown can do) orthodox card tricks.
「まして(~ない)、いわんや(~ない)」などの意味で、否定文で使います。
I have never been to a warm southern country, much less Hawaii.
「私は暖かい南国には行ったことがないですし、ましてやハワイなど行ったことはありません。」
Hawaii の前に I have never been to が省略されていると考えれば分かり易いと思います。
(I have never been to) Hawaii.
「遅かれ早かれ」のような意味を表します。
This rail route will be abandoned sooner or later.
「この鉄道路線も遅かれ早かれ廃止されるでしょう。」
※ sooner or later の位置を前に持ってくることもできます。
「~なので、それだけますます」のような意味を表します。because や for の後には句や節がきます。
I found it all the harder because she had to raise her three children all alone.
「私は彼女がたった1人で3人の子供を育てなければならないのでなおさら大変だと思った。
all alone ただ一人で
We could trust him all the more for his punctuality.
「彼はきちょうめんなので、私たちはますます彼を信頼することができた。」