英語では、疑問文などではなくても、動詞や助動詞などが主語の前にくることがあります。
これを倒置と言い、英語の5文型である基本的な語順を変えることで、強調したい語句などを先頭の方に持ってくる表現方法の1つです。
倒置になる主な場合を解説していますので、参考にしてみて下さい。。
副詞句が文頭にくると、後にくる S+V が、 V+S の語順になることがあります。
The chance came out of the blue.
「そのチャンスは突然やってきた。」
副詞句となる out of the blue が文頭にくると次のようになります。
Out of the blue came the chance.
否定語句が文頭にくると、後にくる S+V が V+S の語順になります。
He had no sooner entered the store than a burglar broke in.
「彼がその店に入るなり強盗が押し入ってきた。」
↓
そして、否定語句の no sooner が文頭に来ると次のようになります。
No sooner had he entered the store than a burglar broke in.
◆英文が一般動詞を含む現在形や過去形の場合は do, does, did がそれぞれ主語の前にきます。
Little did I dream that my beloved pet would die suddenly.
「私は最愛のペットが急死するとは夢にも思わなかった。」
目的語や補語が文頭にくると、後にくる S+V が V+S の語順になることがあります。目的語が文頭に来る場合、それに否定語が付けばV+S に倒置されます。
The man did not say a single word.
「その男は一言も口をきかなかった。」
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Not a single word did the man say.
Oceans of money Mr.Kaneda earned from share sales last year ,and he donated all of it to a charitable organization.
「金田氏は昨年株式の売買によって大金を得たが、彼をその全てを慈善団体に寄付した。」
※ oceans of money という目的語が文頭に出ていますが、この場合はその後の S+V の部分に倒置はおきません。
oceans of money 大金 share sales 株式売買 charitable organization 慈善団体
The young man is so greedy that I don't want to be friends with him.
「その若者は貪欲なので私は友達にはなりたくありません。」
補語となる so greedy が文頭にくると次のようになります。
So greedy is the young man, that I don't want to be friends with him.
the young man が代名詞の he であれば順番は変わりません。
So greedy he is, that I don't want to be friends with him.
◆仮定法で if が省略される場合にも V+S の語順になります。
If I were rich, I would go on a trip to a variety of countries every month.
「もし僕が金持ちだったら毎月いろいろな国に旅行に行くだろう。」
↓
Were I rich, I would go on a trip to a variety of countries every month.
a variety of いろいろな
If you had been born a woman, I might have married you.
「もし君が女性に生まれていたら、君と結婚していたかもしれないな。」
↓
Had you been born a woman, I might have married you.
※仮定法過去完了では had が主語の前にきます。
◆場所を表す意味ではない there、 here が文頭に使われる場合、その後の S+V が倒置されることがあります。
Look! There goes a UFO!
「見てよ、UFOだよ!」
Here comes a person with a stern face!
「怖い顔をした人が来たよ!」
with a stern face 怖い顔をした
※しかし、主語が代名詞の場合は倒置になりません。
Here she comes!
◆ so や such が文頭に使われる場合、その後の S+V が倒置されます。
I hear Masaru is a graduate of Harvard University. So am I.
「マサルはハーバード大学の卒業生らしいよ。」「僕もそうだよ。」
His story was so funny that no one could stop laughing.
↓
So funny was his story that no one could stop laughing.
「彼の話はとてもおかしかったので誰も笑いを止めることができなかった。」
Her sorrow was such that we tried to cheer her up..
↓
Such was her sorrow that we tried to cheer her up.
「彼女は大変悲しがっていたので、私たちは彼女を元気付けようとしたのです。」
Such is life.
「それが人生ってもんだ。」
◆他にも、次のように強調する場合も倒置が行われることがあります。
Was that ever a thrilling moment!
「それはゾクゾクする瞬間だったよ。」