英語における形容詞という品詞は、日本語のそれとは多少異なる部分があります。
日本語における形容詞とは、言い切りの形が「い」で終わる言葉のことですが、英語では形容動詞(言い切りの形が「だ」で終わる言葉)や、連体詞(名詞を修飾する言葉)も形容詞として扱われています。
したがって、英語における形容詞の品詞分けはそれほど難しくありませんが、下記のような2通りの用法の区別は、しっかりと理解しておく必要があります。
◆ 叙述用法とは、形容詞が名詞などを修飾せずに、文章中の補語の役目をする使い方のことです。
例えば、beautiful をこの用法で使うと This lake is beautiful. 「この湖は美しい。」となります。
これは第2文型(SVC)の補語(C)になっているということです。
次の英文でも形容詞を叙述的に使っています。
Mary found his remark disgusting.
「メアリーは彼の発言を不愉快に思った。」
これは第5文型(SVOC)の補語が dusgusting(不快な)という形容詞になっています。
◆ 通常は、次のように叙述用法のみしか使えない形容詞もあるので注意が必要です。
afraid(恐れて) alive(生きて) asleep(眠って) aware(気が付いて)など
Her newborn baby is now fast asleep.
「彼女の生まれたばかりの赤ちゃんは、今はぐっすりと眠っています。」
※他にもいろいろあるので、その都度確認してください。
◆ 形容詞の限定用法とは、形容詞が名詞の前にきて名詞を修飾する使い方のことです。
上の叙述用法で使った beautiful や disgusting などは限定用法でも使えます。
You must not miss this beautiful opportunity.
「この絶好の機会を逃してはいけません。」
beautiful はここでは「すばらしい=絶好の」という意味で opportunity を修飾しています。
Her disgusting behavior made me sick.
「彼女のむかつく行動に私はうんざりした。」
◆ 通常は、次のように限定用法のみしか使えない形容詞もあるので注意が必要です。
elder(年上の) inner(内側の) latter(後の)
The latter part of his comment was very doubtful.
「彼の解説の後半部分はとても怪しいものだった。」
◆ 語尾が en で、分詞から形容詞化したものも通常限定用法として使われています。
a broken ankle(骨折した足首) fallen hair(抜けた毛・抜け毛)
※その他にも限定用法でしか使えないものがいろいろあるので、その都度辞書等で確認してください。